「アテンション・エコノミー」
という言葉を知っていますか?
私たちが日々触れる情報の量が
多くなりすぎたことによって、
私たちは情報を基本的に
「スルー」する習慣が
身についてしまいました。
そのせいで、情報を発信する側は
あの手この手で私たちの
「注意・関心」をひくようになり、
「関心を持たれること」自体が
経済的な価値を持つようになった社会、
と考えればいいともいます。
私たちは今、
アテンション・エコノミーの中で
暮らしています。
たくさんの情報や広告が
SNSなどを通じてあなたに届き、
そのどれもが、
「私を見て!」
と主張してくるので、
それを見るのが疲れてしまう、
という人もいるのではないでしょうか?
情報が増えたから、
その中から目立つために、
(=気を引くために)
少し極端な表現をしたり、
誇張をしたり、美化したり、
あるいは嘘に近い表現をしたり、
事業者は躍起になっているのですが、
そんな態度はまるで、
「昔、バイト先にいた
スゴイぶりっ子の後輩」
に似てるなぁと、ふと思いました。
(小倉優子みたいなキャラだった)
アテンションを獲得するのは
一つのテクニックであって、
嘘や誇張だとわかっていたり
薄々気づいていたとしても、
そのテクニックの前では
完全に無視することは難しい。
つまり、ぶりっ子キャラのような
アテンションの獲得スキルというのは
一種の「関心の強奪・支配」であって、
確かに関心を払ってしまうんだけれど、
「相手に乗せられた」感があるので、
心のどこかで不信感とかが芽生える。
目の前の相手は自分を欺いている、
自分の関心を奪おうとしていることは
薄々勘づいてしまうわけですね。
そうなると、
アテンション・エコノミーというのは
表面的には「関心の奪い合い」であり、
本質的には「騙し合い」であって、
相互信頼を毀損しながら回る歯車。
ビジネスをしていると
「アテンションを取りたい!」
という思いに駆られることも多いですが、
アテンションというのは
顧客との関係性の「入り口」であって、
入り口で信頼関係を毀損していては
継続的かつ深いおつきあいにはなりにくい。
アテンションを取らなくていい訳では
決してないんだけれども、
アテンションを重視しすぎるあまり
顧客との長期的な関係構築に
リスクをはらむようなことは
避けないといけない。
15年以上前のぶりっ子の後輩を
思い出しながら、
そんなことを考えていました。