カルビーが自社アプリの新機能として「この商品が買える店舗を調べる」という機能を追加しました。ありそうでなかったこの機能、発端はお客様相談室に「この商品はどこで買えますか?」という質問がたくさん寄せられていたからとのこと。お客様からの相談や問い合わせは、売り上げアップのヒントの山です。
■目次
引用記事
「どこで買える」アプリで検索 カルビーが新機能 限定ポテチも出荷データから
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80145500V10C22A2H21A00/
記事要約
・カルビーは同社の商品がどこの店舗にいつ納品されたかをスマホアプリで検索できるようにした。同社の「お客様相談室」への問い合わせが多かった取扱店舗をアプリでわかりやすく伝える。従来、商品には関心はあるが店舗の問い合わせまではしなかった人の潜在的なニーズも取り込む。
・新機能にはカルビーから商品を出荷するときのデータを活用した。もともと商品ごとにどの店に配送したかまとめていたたデータを、「この販売店に、何日にどの商品を配荷したか」というかたちに整理した。検索機能の開発を担当した関口洋一さんは「リリースしてから反響が大きく、お客様にとって必要な機能だと言うことを実感した」と話す。
・カルビーのお客様相談室への問い合わせは年間3万件以上あるといい、内容別では「商品がどこに売っているのか」に関連するものが多い。同社は「ポテトチップス」だけでも年間100商品以上を発売。期間限定のさまざまな商品があり、気になる商品の販売店を探す消費者が多いようだ。ただスマホ利用になれた若い世代は電話での問い合わせになじみが薄い。アプリに検索機能をつけることで、若年層との接点を増やす機会になると判断した。
ポイント解説:「分からないから買えない」をなくす
・年間3万件以上あるお問合せの中で、売っている場所への問い合わせが多いというのは興味深い。メーカー企業はさまざまな宣伝や広報によって新しい商品の発売情報を発信しているが、その情報が届いたところで、どこで買えるのかわからなければ結局は買えない。つまり、広告宣伝の効果を最大化するためには、「どこで買えるのか」という情報まで伝える必要がある。
・そういう意味では、今回のアプリでの検索機能はとても理にかなっている。顧客が欲しいと思ったときに、買えない理由を潰すわけだ。もちろん店頭の在庫状況をリアルタイムで出すわけではないから、完全な情報提供ではないにせよ、顧客が欲しがっている情報を提供するのは効果的。
・いずれはコンビニ各社が「ラストワンマイル」と呼ばれる近距離配送に注力すると思われる。その時に、「どの店に商品があるのか」がすぐに検索できるというのは、意外と効果を発揮してくるのではないか。
関連リンク
・カルビー https://www.calbee.co.jp
・ルビープログラム https://www.calbee.co.jp/lbeeprogram/
自社のマーケティングに活かすには?
・事業の規模に関わらず、「質問されたことリスト」を作りましょう。お客様が自社の商品やサービスを購入する上で、何か聞いてくるということは「購入するために必要な情報が足りない」ということです。その情報を提供したら買ってもらえるかはわかりませんが、その情報なしに購買決定はできないのです。
・その「質問されたことリスト」の中で、対応の優先順位をつけるのであれば、「これが分からないと、買いたくても買えないな」という質問です。今回ならば「どこに売っているのですか?」という質問。これは明らかに、「購入意欲があるのに、これが分からないから買えない」という質問です。早急に対応すれば、その分売り上げが増えます。
・次に対応すべきことは、「丁寧に対応すれば売れる」質問です。これはいってみれば不安の解消。たとえば「原材料に表記されている◯◯は、摂りすぎても健康に影響はありませんか?」とか。こういう質問には、「安心できるなら買おうと思う」という心理が隠れています。丁寧に説明を尽くして安心してもらえれば、買ってもらえる可能性があります。