生成AI活用の成否は、「進め方」で決まる
ツール選びで悩む前に——名古屋商工会議所 会報誌(2026年7-8月号)特集でご紹介した、生成AI導入でつまずきやすい「3つのフェーズ」。まずは、自社がいまどこにいるかをチェックしてみてください。
Phase 1:何から始めればいいかわからない
なぜ起きるか:目的を定めないまま情報収集を始めると、選択肢が増えてかえって動けなくなります
STEP 1|当てはまる方はここからチェック
- AIツールが多すぎて選べない
- 情報収集をしても判断基準が持てない
- 調べるほど情報があふれ、結局何も始められない
なぜ起きるか:生成AIは「何でもできる」と言われるほど守備範囲が広く、それが逆に導入のハードルになります。ツール比較や活用事例を追うほど選択肢が増え、身動きが取れなくなる——多くの企業で見られるパターンです。
STEP 2|気をつけるポイント
- 「何を目的に使いたいか」を先に明確にする。ツール選定はその後で十分間に合います
- 自社の業務内容・IT環境を整理する
- 特定ツールを前提とした情報を鵜呑みにしない
- 「流行っているから導入する」という判断を避ける
STEP 3|目指すゴール
- 「何のために使うか」が具体的に言語化されている
- 自社のIT環境や事業内容に適した生成AIツールを選定できている
専門家の視点:重要なのは「どのAIが優れているか」ではなく、自社の業務やIT環境に合っているかどうか。最先端のツール=最適解ではありません。技術に詳しい人=自社に最適な提案ができる人とも限りません。
対応するサービス:生成AI導入 着火研修『AI Ignition』(経営層向け)
まずは相談するPhase 2:コスト・セキュリティ・ルールの壁
なぜ起きるか:個人利用の延長で使わせると、コストも情報セキュリティも属人化します
STEP 1|当てはまる方はここからチェック
- どのくらいのコスト感・セキュリティレベルでツールを導入すべきかわからない
- 社内で運用ルールがなく、使い方がバラバラになっている
なぜ起きるか:生成AIを個人利用の延長で使わせてしまうと、コスト管理も情報セキュリティも属人化します。特に無料版ツールでの機密情報の取り扱いは、情報漏えいリスクに直結します。
STEP 2|気をつけるポイント
- 様子見のまま、従業員に無料アカウントで業務利用させない(情報持ち出しのリスクにつながります)
- シャドーAI(会社に無断での生成AI利用)を放置しない
- 事故が起きてから対策する「後手対応」にならないよう、教育機会を提供する
- 生成AIサービスの法人契約と並行して、社内の利用ガイドラインを整備する
STEP 3|目指すゴール
- 会社としてのAI利用ガイドラインが整備されている
- コストとセキュリティのバランスが取れている
- 従業員が安心して使える環境が整っている
専門家の視点:生成AIは導入するだけでなく、安全・安心に運用する仕組みを整えることが重要です。コストとセキュリティは表裏一体。どちらかに偏らないバランス設計が求められます。
対応するサービス:生成AI活用環境の整備サポート『AI Safe Start』
まずは相談するPhase 3:導入したのに使われない
なぜ起きるか:座学だけでは自分の業務への当てはめ方が分からず、現場で使われません
STEP 1|当てはまる方はここからチェック
- ツールを導入したが利用率が低い
- 一部の人しか使っていない
- 教育しても現場で活用されない
なぜ起きるか:生成AIが使われない最大の理由は「自分の業務での使い方が分からない」こと。座学の知識だけでは現場に落ちません。「業務との接続」が利用者を増やす鍵になります。
STEP 2|気をつけるポイント
- 業務に直結した活用方法を学ぶ研修を実施する
- 職種・業界ごとの具体例を共有する
- ワークショップ形式で実践的に学ぶ機会をつくる
注意:動画視聴だけのeラーニングに頼りすぎない。動画のみだと見ない人が出やすく、対面研修の併用がおすすめです。eラーニングはすでに使える人向き。初心者には、その場で疑問に答えられる研修が効果的です。
STEP 3|目指すゴール
- 社員一人ひとりが、自分の業務での生成AI活用イメージを持っている
- 日常的に業務の中でAIが使われている(社内での利用状況を確認!)
対応するサービス:生成AI基礎知識研修『AI Kick-Off』/部署・階層別 生成AI活用定着研修『AI Adoption』/AI Office Hours(丸一日常駐で定着支援)
まずは相談するその先へ——生成AIを「組織に定着させる」
3つのフェーズを乗り越えた企業が次に取り組むべきは、個人の活用を「組織の力」に変えることです。生成AI活用の成否は、ツール選びではなく「進め方」で決まります。
ACTION 1
社内の活用事例を共有する
多くの組織では20〜30人に1人、生成AIを使いこなす社員がいます。利用ログなどからヘビーユーザーを見つけて使い方をインタビュー・資料化し、本人を講師にした社内勉強会を開きましょう。実際に成果を上げている同僚の使い方は、外部研修よりはるかに説得力があります。
ACTION 2
AI推進役を設ける
進化の速いAI分野では、情報を追い続ける役割が不可欠です。AIツールの使用頻度が高く、新しい技術に好奇心を持つ社員を1〜2名指名し、新機能の検証と社内への情報発信を任せることで、組織全体の活用スピードが加速します。
GOAL|目指す組織風土
- AIが「特別なもの」ではなく、日常のツールになっている
- 社内で自然に活用方法が共有される文化がある
- 次のステップ(自動化・高度活用・AIエージェント)へ進める組織になっている
この段階の伴走支援には、丸一日常駐でチームの活用を底上げするAI Office Hoursをご活用いただけます。
本特集の解説者
中島 正博|スノーフレイク・コンサルティング合同会社 代表
中小企業のマーケティング支援を軸に、生成AI登場後は徹底的に使い込んで独自の知見とノウハウを構築。法人向け生成AI研修の提供に加え、非営利団体向けの無償セミナーは130団体以上が受講。豊富な相談対応実績を持つ、生成AI実践活用の専門家。名古屋商工会議所 会報誌(2026年7-8月号)特集「生成AIで『人と組織の働き方』が変わる」を解説。
自社が今どのフェーズにいるか分からない——そんな方こそ、お気軽にご相談ください。
