What We Think
私たちのビジョンは「挑戦が当たり前の社会」の実現です。
なぜ私たちが挑戦にこだわるのかをお伝えします。
Our Problem
日本では挑戦が賞賛されていない
In Japan, taking risks is not praised.
OECDの国際学力調査(PISA 2018)によれば、日本の15歳は世界の中でも「失敗を恐れる」傾向が最も高い国のひとつです。
さらに、日本財団の「18歳意識調査」では、若者の自己肯定感が他国と比べて極めて低く、結果より過程を称える文化が十分に根付いていないことが浮き彫りになっています。
職場でも同じ傾向が見られます。東洋経済オンライン(2025)の調査では、65.5%の人が「失敗のリスクを冒すより安全な選択をする」と答え、68.2%が「挑戦よりも周囲との調和を優先する」と回答しました。
このように、挑戦が正当に評価されず、むしろ避ける方が得とされる空気が、私たちの社会に根強く存在しています。
そしてそれは、新しい一歩を踏み出す人を減らし、次世代の可能性を狭めているのです。
参考文献
Cause of the Problem
なぜ挑戦が賞賛されないのか
Why challenges are not praised
挑戦が賞賛されにくい背景には、文化・制度・心理の3つの要因が複雑に絡み合っています。
1. 文化的背景
日本社会には、結果主義と同調圧力が深く根付いています。
成功すれば称賛されますが、失敗すれば「無謀だ」「計画性がない」と批判されがちです。
OECDのPISA調査(2018)では、日本の15歳の77%が「失敗したとき、他人がどう思うか気にする」と回答し、OECD平均(56%)を大きく上回りました。
これは、失敗を避ける空気が日常生活や職場にも広がっていることを示しています。
2. 制度的要因
企業や学校の評価制度も、挑戦を阻む要因です。
短期的な成果を重視する企業では、リスクを取って挑戦するよりも、確実な成果を出す方が評価されやすい傾向があります。
また、一度失敗すると再挑戦のための資金や信用を得にくい現状もあります。
教育現場でも、減点法や一律の評価基準が主流で、創造的な試みや独創的な答えが評価されにくいという課題があります。
3. 心理的要因
文化や制度の影響は、個人の心理にも反映されます。
日本財団の「第62回 18歳意識調査(2024)」では、日本の若者は6カ国中最も自己肯定感が低く、「自分には誇れる個性がある」と答えた割合は54%にとどまりました。
自己肯定感が低いと、「挑戦して失敗するくらいなら何もしない方が安全だ」という思考になりやすく、結果として挑戦そのものが減ってしまいます。
結果だけで評価する文化、挑戦をリスクとみなす制度、そしてそれらが育む心理的な壁。
この3つの要素が連鎖し、挑戦が称賛されにくい社会構造をつくり上げています。
Loss of Our Society
失われるのは未来の可能性
The future potential is being lost.
挑戦が称賛されない社会は、私たち全員の未来から多くの可能性を奪っています。
1. 経済的損失
新しい挑戦が減れば、イノベーションも減ります。
世界知的所有権機関(WIPO)の Global Innovation Index 2023 では、日本の総合順位は過去10年で低下傾向にあり、スタートアップの新規設立数も米国や中国に大きく差をつけられています。
挑戦が阻まれることで、新産業の創出や雇用機会の拡大が妨げられ、長期的な経済成長が鈍化します。
2. 社会的損失
挑戦が称賛されない社会では、若い世代が「安全な道」だけを選びがちになります。
日本財団の「第62回 18歳意識調査(6カ国調査)」では、日本の18歳の約4割が「将来の夢がない」と回答しています。
夢や目標を持つ若者が減れば、社会全体の活力や多様性が失われます。
3. 個人の損失
挑戦は自己成長の源泉です。
失敗を通じた学びや達成感は、自信や自己効力感を高めますが、それが得られないと成長の機会を逃してしまいます。
国連の世界幸福度ランキング(2024)で、日本は143か国中51位と、先進国の中では低い順位にとどまっています。
挑戦が称賛されない空気は、経済を停滞させ、社会の多様性を失わせ、個人の成長の芽を摘みます。
そしてその損失は、目に見える数字だけでなく、未来への希望や可能性といった無形の価値にも及びます。
参考文献
Our goal
挑戦が賞賛される社会を創る
Creating a society where challenges are praised
私たちが目指すのは、挑戦する人が称えられ、その姿が次の挑戦者を生む社会です。
成功も失敗も、その一歩を踏み出した勇気として讃えられる文化を育みます。
私たちが描く未来の姿
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失敗しても、過程や努力が正当に評価される
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学校や職場で、新しい試みを歓迎する空気が当たり前になる
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互いの挑戦を称え合い、応援し合うコミュニティが広がる
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挑戦の連鎖が起こり、地域や企業に新しい価値と活力が生まれる
そのために取り組むこと
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挑戦を可視化し、称える仕組みづくり
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成果だけでなく過程を評価する制度の提案・普及
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失敗からの再チャレンジを支えるネットワーク構築
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学校・企業・地域と連携した挑戦文化の発信
私たちはできることから少しずつ、社会の「挑戦力」を高めることに挑戦していきます。