概要
導入企業さま:NTTビジネスソリューションズ
実施時期:2025年7月
研修内容:生成AI社内勉強会支援『AI Infusion』
受講者数:約15名
実施形式:対面
背景
NTTビジネスソリューションズの東海北陸エリア(名古屋・静岡・金沢・福井)の4拠点に在籍する14名の生成AI活用ワーキンググループメンバーの勉強会に登壇しました。厳格なセキュリティ制約、限定的なツール環境などがあり、生成AIのユースケース開発に課題があるとのご相談をいただきました。
研修概要
1. 制約環境を前提とした意識醸成アプローチ
現在の制約された業務環境やリソース状況を前提としながらも、AIが持つ幅広い可能性について丁寧に紹介していくアプローチをとりました。限られたツールや体制の中でいきなり「使いこなす」ことを求めるのではなく、将来的な技術導入や環境変化に備えて、少しずつ知識や理解を積み重ねていくことを重視しました。そのため、「今すぐに使えるテクニック」を教えるのではなく、AIそのものへの理解と興味を育むことに重点を置きました。
2. 基礎理解重視のアプローチ
生成AIに対する体系的な理解を目的とし、まずはその仕組みや原理を丁寧に解説するアプローチを取りました。従来のAI(ルールベースや機械学習)と生成AI(大規模言語モデルなど)の違いを明確にしながら、プロンプト作成のコツについても理論的な背景を交えて伝えることで、単なる操作スキルではなく、本質的な理解に基づいた活用力を育むことを目指しました。
3. 「わくわく感」を重視した意識変革
生成AIの可能性に対する好奇心や驚きの感情を出発点とするアプローチを採用しました。画像生成、音楽の自動作曲、ノーコードアプリ開発など、多様で魅力的な事例を紹介することで、「こんなことまでAIでできるのか」という感動や発見を促しました。その上で、将来的な技術発展への期待感や、自らも活用してみたいという前向きな姿勢を育てることを意図しました。
成果と反響
研修終了後のアンケートによると参加者の満足度は非常に高く、10点満点中平均9.8点という評価を得ました(回答者12名)。回答率は86%で、14名中12名がアンケートに回答しました。そのうち83%にあたる10名が最高評価である10点を付けており、参加者からの高い評価が確認されました。
またすべての参加者が、AIに対してポジティブな印象を抱くようになりました。特に、生成AIに関する基礎概念について「腑に落ちた」といったコメントが多く寄せられ、深い理解が得られたことが伺えました。また、他のメンバーにも内容を共有したいという声が自発的に上がるなど、組織内への展開意欲が自然に生まれていました。さらに、将来的な本格的活用に向けた知識の土台と前向きな姿勢が確立されるなど、長期的な成果にもつながる兆しが見られました。
参加者からのコメント一部抜粋
基礎理解の深化について
「生成AIパスポート取得の際に文字として得た知識が『あぁそういうことかぁ』と腑に落ちました。確率論に基づいて、最も『それらしい』回答を出すという仕組みが理解できました」
研修アプローチへの評価
「これまでの講演でベスト1。リアルで近い距離で、使い慣れた会議室で、トークが流れるように心地よく、事前合わせの内容を元に120%のアウトプット。ワクワクと清々しさがマックスでした」
今後への意欲
「何か効率化しようと考えた時に、まず生成AIが使えないか考える癖をつけようと思う」 「生成AIを使いこなすお婆ちゃんになりたいので、頑張ってついていこうと思います」
担当者コメント
今回の勉強会の支援にあたり、以下の点に特に注力しました。
1. 徹底した事前調査
事前の打ち合わせを通じて、参加者の抱える課題や制約、そして期待していることを詳細に把握しました。その情報をもとに、内容を完全にカスタマイズし、参加者に最適なカリキュラムを提供しました。
2. 制約を前提とした前向きなアプローチ
「制約環境でも始められる!」をテーマに、現在の限られた状況を嘆くのではなく、AIの持つ可能性や将来性に焦点を当てた内容を設計しました。現実を踏まえたうえで前向きな意識変容を促す構成としました。
3. 体系的な知識構築
AIに関する知識を、単なる機能紹介にとどまらず、その本質的な理解から具体的な応用まで段階的に構築しました。参加者が表面的な使い方にとどまらず、背景にある考え方まで理解できるよう配慮しました。
4. 双方向コミュニケーション
セッション中は質疑応答の時間をしっかり確保し、参加者からの疑問や不安の声に対して、誠実かつわかりやすい説明を心がけました。双方向のやりとりによって理解の定着を図りました。
これらの工夫が高い満足度につながったと考えています。今後もNTTビジネスソリューションズ様に置かれては、しっかりと基礎を押さえつつ、自社なりの活用を開発していただければ幸いです。