【トレンド用語解説】今求められている新しい”物語”の概念、「ナラティブ」とは?

みなさんは、「ナラティブ」という言葉を聞いたことがありますか?初耳という方も多いでしょうが、マーケティングに関わる方はこれからきっとたくさん聞くことになりますので、この機会に覚えておいてください。今日は、最近のマーケティングトレンド「ナラティブ」を、関連記事から読みときます。今日の内容は正直にいって、ちょっと難しいです。

【引用記事】(著者とじっくり) 企業と生活者が紡ぐ物語 PRストラテジスト 本田哲也氏:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76117900Y1A920C2H24A00/

【記事要約】

・――企業PRにおけるナラティブとはどのようなものですか。

「わかりやすく言えば主役の転換だ。(中略)ビジネスに当てはめると、企業による一方的なストーリーテリングではなく、生活者が主役となる物語にシフトすることを指す」

・――いまなぜナラティブが重要なのですか。

「SNS(交流サイト)によって無数の一般の人の物語が可視化されるようになったことが大きい。企業と消費者がフラットな関係になった今の時代に、どちらのストーリーが関心を持たれるかというと、企業よりも身近な人の物語の方が面白いよねと、特に若い世代が感じるようになった」「かといって消費者の物語をただ聞いているのではなく、自分たちの物語との接着点を見いだし、彼らの物語の中に入っていく。ナラティブとは物語的な共創構造であり、企業と生活者が共に紡ぐという意味だ」

・――具体的にどんな企業がナラティブを実践していますか。

「例えばパタゴニアだ。登山家が創業者で、『私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む』と掲げる。こうした思いがビジネスの起点となっており、従業員を見ても広告を見ても商品を見ても全部がつながっている。(中略)環境問題に関心のある消費者たちはパタゴニアの物語に乗っかり、一緒に作っていきたいと思う。モノを買うのではなく物語に参加するためにモノを買う。ナラティブには終わりがない

・「採用も同じで、最近の若い人はその企業の物語の一員になりたいと入社する。今後は企業のM&Aなどでも同じ物語を強化するために一緒に組もうという流れになるかもしれない。その意味で企業は規模よりも強力なナラティブを持っている方が強く、この求心力がたくさんの人を巻き込み企業価値そのものになっていく

・「海外では学校でナラティブライティングなどを学ぶ。だからなのか海外の政治家や経営者のスピーチはナラティブ力が高く、人々を巻き込んでいく。日本人はここが弱い。広告や社長のスピーチで人の心をつかむには企業カルチャーを大胆に変えていく必要がある。最悪なのは何も語らないことだ」

【ポイント解説】

・「ナラティブ」も「ストーリー」も、日本語訳すると「物語」なのだが、ポイントとなる違いは顧客がその物語にどう関わることができるか。

・今までマーケティングで言われていた「ストーリーを語れ」というのは、企業や商品、サービスの生い立ちを感情豊かに語ることで、共感したり感動することで購入につなげるというもの。いってみれば、ストーリー型マーケティングは、企業が作ってきた物語を顧客が”享受”する形

・一方ナラティブ的な物語というのはいってみれば未完結の物語で、顧客がそこに関係する余地がある。クラウドファンディングのように、「こんなことが実現したい!」「世の中をこんなふうに変えたい!」という思いを持った人を、顧客が応援して購入する。これは、企業と顧客が同格であり、共創関係にある

・今の消費者は、便利とか快適とかを求めるだけではなく、「誰かとともに、世界をよりよくする何かに関わりたい」という思いを持っている。その気持ちを満たす上でも、出来上がったストーリーを企業が一方的に語るのではなく、未完成なナラティブを顧客とともに語る(紡ぐ)ことが求められている

【マーケティング思考力を高めるための質問】

・あなたのビジネスがうまくいくことで、世の中にどのような素晴らしい変化が起きますか?

・その素晴らしい変化を心の底から望んでいる、応援してくれる人たちは誰でしょうか?

・そうした人たちが、その素晴らしい変化の”共犯者”になるために、他社ではなくあなたの商品やサービスを選択・購入するとします。購入する以外に、彼らに「仲間入りのハードル」「仲間入りの証」を用意するとしたら、どんなことが考えられますか?

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