【売り方を変えれば顧客も変わる】自販機は商品ではなくエンタメを売る時代に突入する?

腕時計ブランド「タイメックス」がコカ・コーラとコラボして「1万円以上の腕時計を自販機で販売」しています。「高級品を自販機で売るって、どういうこと?」「そんなの売れるの?」と疑問に思いますが、マーケティング戦略としては一定の合理性があるように思います。商品そのものではなく「売り方」を変えることで、どんな効果を狙えるのかについて、考えます。

【引用記事】

自販機から缶入り腕時計 高額品、購入過程をエンタメに

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79096820R10C22A1HF0A00/

【記事要約】

・腕時計ブランド「タイメックス」を扱うウエニ貿易(東京・台東)は、期間限定で1万円を超える腕時計やプレゼント専用の自販機を相次いで展開している。渋谷ロフト(東京・渋谷)に設置した際は、目標比1.5倍の売り上げを達成。自販機は、タイメックスとコカ・コーラとのコラボレーション商品「タイメックス×コカ・コーラ コラボレーションウォッチ」の販売の一環としてウエニ貿易が企画した。腕時計の価格は1万2100円から2万6400円。

・そもそもなぜ、腕時計を自販機で販売することにしたのか。ウエニ貿易時計事業部の佐藤智子氏は、「新型コロナウイルス禍において、世の中に楽しい企画を届けたかった。自販機ならば非接触で商品を販売することもできる」と語る。腕時計は店舗で接客を受けて試着をして購入するのが一般的。しかし、腕時計を買うのに本当にこうしたプロセスは必須なのか。自販機での販売は、腕時計販売の常識への問いかけでもあった。

・好評の理由を、佐藤氏はこう分析する。「ユーチューブやTikTokなど、若い世代にとって動画投稿は今や当たり前。動画を撮りながら買い物することもあり、せっかく買うなら面白い買い方が好まれる。腕時計の自販機に、発信しやすいエンターテインメント性があったのではないか」

・自販機はコロナ禍で非対面かつ24時間営業で販売できる手段として存在感が高まっているのが現状だ。扱う商品も飲料や食品だけでなく、アクセサリーや香水、結婚指輪など多様化している。売っている商品との「ギャップ」や、買う行為の「楽しさ」、欲しい瞬間にアプローチできる「適時性」――。これらを生かせば、自販機は消費者の買いたい気持ちをくすぐる販売装置としてまだまだ成長しそうだ。

【ポイント解説】購買はエンタメに

・まず最初に、今僕たちが慣れ親しんでいる「セルフサービス」も、登場した時は常識はずれだった。だから、物の売り方に「こうじゃないといけない」ということはない、ということを理解しよう。

・「1万円以上する時計を自販機で買う人がいるのか?」と驚くかもしれない。しかし、購入する人はおそらく「タイメックスの時計が欲しいとずっと思っていた」人ではない。金銭感覚は人それぞれで、1〜2万円なら遊びで使ってもいいという人も一定数いる。実際の販売数量は書かれておらず、「目標の1.5倍」とあるので、そもそもそこまで高い販売目標ではなかったのだろう。

・とはいえ、「購買プロセスをSNSでシェアしたい」というニーズは確かにあるだろう。この事例はある種の「ネタ」的な企画だと思うが、購入プロセス自体に話題性やコンテンツ性を持たせるという戦略は有効だろう。

・購買プロセスのコンテンツ化といえば、もっともわかりやすいのが宮沢賢治の『注文の多い料理店』だろう。もちろん結末の意外性もあるが、ただ料理店に入ってご飯を食べるために、複雑なプロセスがたくさん用意されていることの意外性やワクワク感が強く印象に残る。購買プロセスを複雑化したり意外性を持たせることで、ただ単に購入したい人だけでなく、その購買プロセスを「体験したい」人まで取り込めるというのが、マーケティング的には面白い。

・また、自販機の活用は今後さらにいろいろな事例が出てくるだろう。コロナ禍で冷凍自販機が増えたように、自販機そのもののスペックのグレードアップも期待される。エンタメ機能を搭載した「アトラクション自販機」のようなカテゴリーも増えてくるかもしれない。

【関連リンク】

・タイメックス https://www.timexwatch.jp

・タイメックス × コカ・コーラ コラボレーション ウォッチ https://www.timexwatch.jp/c/topics/cocacola

【自社のマーケティングに活かすには?】

・まず、自社が扱う商品やサービスの一般的な提供方法を整理してみよう。低価格品は無人販売や卸売が多いだろうし、高価格品は接客販売が必要な場合が多い。

・今まで無人販売だったなら、あえて有人の接客販売にしてもいいし、高価格品をあえて無人販売やネット販売にしてみてもいい。

・そうするとお客様は「なんで安いものなのにこんなに丁寧に売るの?」「なんで高いものなのにこんなに雑に売るの?」と違和感を持つ。その違和感を納得に変えるような「その売り方の方が喜ばれる(楽しめる)理由や仕組み」を考えてみよう。

・ポイントはエンタメ感覚や「ネタ」的発想。自社商品やサービスのコアな顧客に喜ばれる必要はない。今まで接点のなかった人たちと繋がるためだと割り切る。ただ、できればその1回の購買で自社のファンになってもらうことで、リピーター化することまで考えて施策を作りたい。

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