(2021/07/17~18日経新聞より)どうせ五輪をやるのなら、社会実験の機会として活用してほしい。

今日のトップ記事は、「ロードプライシング」のお話。これは、社会実験としては非常に面白い。せっかくなので、他にも色々社会実験してほしい。

【News Forecast】19日 首都高でロードプライシング開始:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73988430X10C21A7EA4000/

中央自動車道や東名高速道路などでは慢性的な渋滞が発生している。政府担当者は五輪での試行を踏まえ、「将来的にロードプライシングの導入を想定する」と語る。

 新たな取り組みは貴重な実証実験の機会だ。交通政策の命運を握る可能性があり、安部教授は「一般道路への影響も含め、どの程度混雑緩和につなげられたのか、詳細な分析が不可欠だ」と話す。

=====================

「ロードプライシング」は、状況に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」を道路交通に適用したもので、この仕組みは今後さまざまな領域に適応される可能性がある。ロードプライシングはその実験の一つ。五輪開催に賛否あるが、せっかくやるのであれば、こういった社会実験をやるにはうってつけの機会なので、色々試してデータを取得に活用してほしい。

オピニオンの科学(2)フェイクの姿が見えた:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73950020W1A710C2MY1000/

世界のSNS利用者は40億人を超えたとみられる。不正確な情報を信じる人が一定の割合で現れれば、いずれは「既成事実」となり「史実」になりかねない。

 「偽りや誤情報は市民を危機にさらし、民主主義に害を及ぼす」。米インディアナ大学ソーシャルメディア観測所のフィリッポ・メンツァー所長はいう。「誤情報や情報操作のしくみを理解し、対抗するために私たちは研究にあたっている」。攻防に備えて複数のアルゴリズムを開発した。誤情報の広がりや悪質なキャンペーンを追跡する。

=====================

情報戦の歴史は古い。戦国時代には、誤情報を流布して敵陣の判断を狂わせたし、世界大戦の時には自国民を欺いて総力戦にいざなった。今は情報発信手段が民主化して、ゲリラ戦の様相を呈している。一般市民は、権力者の発する情報が正しいか疑うことをようやく覚えたが、同じ市民の声を疑う方法をまだ覚えていない。これをアルゴリズムで解決しようというのがこの記事の話。しかし、アルゴリズムが実装されれば、それを回避しようとする嘘つきとのいたちごっこ。市民に「疑いの作法」を教えるサービスは今後求められるかも。

【チャートは語る】ワクチン滞留1.5億回分:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73992310Y1A710C2MM8000/

日本経済新聞と英フィナンシャル・タイムズ(FT)の共同集計では、15日時点の世界の累計接種回数は35億回。世界が集団免疫を獲得するにはあと72億回分(2回接種の場合)が必要だ。デルタ型の流行で3回目接種が広がれば、必要量は接種済みワクチンの約4倍の126億回分に膨らむ。すでに英国やイスラエルが3回目接種を準備し、中国製のワクチンを接種してきた新興国の一部で米欧製の混合接種を始める国も出てきた。円滑な接種に向けた国際協力を一段と進めないと、ワクチンの偏在と供給不足に拍車がかかりかねない。

=====================

物理的に、126億回のワクチン接種を世界中で短期間で行うことができたなら、国際社会の団結の一つの証左にはなりそうだな。天然痘は、予防接種が1940年代にスタートし、根絶宣言が出されたのが1980年。つまり、30年以上かけて根絶された。これをたった1~2年でやろうというのが今の話と考えると、壮大な取り組みだとわかる。

「オンライン総会」浸透:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73978180W1A710C2DTA000/

 6月の法改正で定款に記載があれば、完全オンラインも可能になった。今回の総会で武田薬品工業など10社が定款変更議案を諮ったが、議決権行使助言の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズは「株主と経営陣の有意義な交流が妨げられる可能性」を指摘し、一部に反対推奨を出した。

 企業は総会運営の効率化や株主の利便性向上になる点は生かしつつ、改めて「株主との建設的な対話の場である」(コーポレートガバナンス・コード)ことを意識した取り組みが必要になる。

=====================

「株主と経営陣の有意義な交流」の定義は何か、そして本当にフルオンラインではそれが難しいのか。むしろ、フルオンラインだからこそできる有意義な交流もある。これを気に、株主総会自体をアップデートしようと考えてみたらどうだろう?

【Deep Insight】宇宙で狙う「アマゾン超え」:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73961160W1A710C2TCR000/

注目したいキーワードがある。米国の生命科学研究に起源をもつELSI(エルシー=倫理的・法的・社会的課題)。新技術が社会に与えるインパクトを予見し、適正利用のルールづくりなど必要な手を打ちながら社会に実装する考え方だ。日本ではメルカリと大阪大学が組み、企業の研究開発のあり方を探る試みが目を引く。

 力におぼれて独善的にならず、幅広い利害関係者を議論に巻き込む。納得・合意・共感を得る手順を制約と思わず、英知を束ねる。そんなRRI(責任ある研究・イノベーション)の姿勢が、あらゆる分野でリーダーの条件になる。

=====================

リーダーに倫理観が強く求められるのは、今の時代だからこそ倫理が必要なのか。そもそも倫理観が希薄になっているからなのか、どちらだろうか。もともとリーダーとは、倫理とか、日本で言うところの「道」をある程度修めないとなれないものだった気がするが、現代は倫理観がなくてもリーダーになれてしまう、ということかな。社会の分断や集団のクラスター化が進んでいるからこそ、より多くの人に対して語りが響くためには公共心とか倫理とか哲学とかがすごく大切。リーダー育成には人文学がマストな時代が到来する。

最新情報をチェックしよう!