【新潟最古の酒蔵・吉乃川の事例】プレミアム日本酒をマイボトルで売る?サブスクの新しい活用法

歴史ある酒蔵が始めた画期的なサービスが話題です。プレミアム商品をサブスクで、しかもマイボトルで販売する?古い売り方と新しい売り方のミックスの仕方が非常にユニーク。しかし、要素分解して考えると、一つ一つの工夫がお互いの長所を生かし、短所を補っています。最大の価値は、顧客との新しい関わり方ではないかと思います。コロナ禍で外食売り上げが低迷する中、酒蔵が家庭に日本酒を直販するための手法としても、興味深い事例です。

【参考記事】吉乃川、令和の「通い徳利」特製日本酒、マイボトルで宅配

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75970090S1A920C2HE6A00/

【記事要約】

・新潟県最古の酒蔵である吉乃川(長岡市)は、家庭の食卓と酒蔵を直接つなぐ新サービス「カヨイ」を始めた。ナンバー入りの専用ステンレスボトルを毎月一回返送すると、有料で通常は購入できない日本酒を詰め、返送される。

・日本酒は、店頭で瓶に入ったものを購入するのが主流だが、江戸時代には「通い徳利」という容器を酒屋に持ち込み、量り売りしていたという。同じ容器を「通い」ながら使い、徳利に酒を詰めて渡し、徳利が空になったら代金と引き換えに再び酒を注いでいた。(中略)「カヨイ」は、令和版の「通い徳利」をめざしている。プレミアムな日本酒をオリジナルの「マイボトル」に詰め、酒蔵から家庭に直接届ける。

・コロナ禍も踏まえ、返送されたボトルは日本酒専用の洗瓶機に入れ、アルカリ洗剤による高圧洗浄で、カビの汚れも落とすなど、衛生面に配慮するという。

・酒の種類は、原則3カ月で切り替える。9~11月は「山田錦 大吟醸原酒」。価格は初回分がステンレスボトルと酒のセットで1万2000円(税込み・送料込み)。おかわりは1回5000円(同)で、毎月1回受け付け、月末に蔵から一斉発送し、全国の顧客に直接届ける。

【ポイント】

・この販売方法は、課金の工夫と商品の工夫と顧客関係の工夫の3点から分析すると面白い。

・まず課金の工夫として、今までボトル1本いくらで売っていたものを、サブスクリプション方式に変えた。今までは毎回店頭で、他の銘柄との比較検討の試練を乗り越える必要があったかもしれないが、サブスクリプションにすることで、他社との比較を受ける回数が減る。

・商品の工夫として、店頭では購入できない特別な商品を提供することにした。初回セットが12,000円、2回目以降が5,000円という強気の値付けも、プレミアムな商品だからこそ成立する。

・顧客関係として、単に毎回プレミアムなお酒を送るのではなく、お客様から「返送してもらう」という仕組みを導入することで、コミュニケーションが生まれる。また、仕組みとして「返送期限」を取り入れている。つまり、「今月届いたお酒は来月のいついつまでに返送してください」ということ。これによって顧客が常にアクティブな状態になる。

【この事例のヒントを生かすための問いかけ】

・今、一回売り切りで価値提供している商品やサービスを、複数回もしくは継続的に販売する方式に変えるとしたら、どのようなやり方がありますか?

・お客様にとって特別な価値や体験を提供するために、プレミアム感やお得感などを出すにはどうすればいいですか?

・お客様に少しだけ手間をかけて、常に双方向のコミュニケーションを維持するための仕組みを取り入れることはできませんか?

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