(2021/07/23 日経新聞より)人間じゃなくてもできる仕事だって、人間がやらなきゃいけないんだよ。

ロボット化・AI化で人間の既存の仕事が奪われるというのは間違いなく正しいですが、一方で新しい仕事も生まれるし、また、本気出せばロボットやAIでできる仕事でも、経済合理性から考えて人間が低賃金でやらざるをえないものもあります。その辺って意外と見落とされがちなので、念の為再確認です。

【FINANCIAL TIMES】デジタル教育で賃上げを:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74121680R20C21A7TCR000/

つまり、技術による生産性向上はデフレ圧力を生む。また、これら技術を仕事に生かせる労働者が増えれば、そのこともデフレ圧力を生む。それだけに政府は労働者のリスキリング(学び直し)に投資し、デジタル技術を習得する労働者を増やしていくことが望ましい。介護などの現場で働く低賃金労働者を比較的スキルの高い中間所得層の労働者に転換できれば、消費を拡大させることができる。ベビーブーム世代の高齢化で介護などへの需要は急増しているが、この分野で現在求められている仕事は、生産性も賃金も低い。

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人間の仕事は今後、二極化する。1つは、ロボットやAIができない仕事。もう一つは、ロボットやAIにやらせるには割りに合わない仕事。後者は、付加価値はないけど、作業的になくすことが難しく、なおかつ機械にやらせるには動きが複雑で、それができる機械を作るにはお金がかかりすぎるということ。ロボット化・AI化できないけど低賃金な仕事。デジタル教育やらリスキリングやらで労働者を育成したところで、実際の需要としてそういう低賃金な仕事は残るので、人材の需給バランスとして需要が小さくなれば、いかに能力が高くても低賃金な仕事をやらざるを得なくなる。それに対する解の一つがベーシクインカムだけど、これは究極の富の再分配なので、まだまだ議論も研究も途上。

車生産、新素材でCO2減:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74134040S1A720C2TB0000/

国際エネルギー機関(IEA)によると、自動車の生産から走行、廃棄に至るライフサイクルの全体で排出されるCO2はガソリン車で1台あたり34トン、電気自動車(EV)は同28トンという。このうち生産に関わる排出量はガソリン車でライフサイクル全体の18%、EVで46%を占める。

 EVシフトが進み走行時のCO2排出量が減っても、生産時が減らなければライフサイクル全体での改善につながらない。

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こういう分解の仕方は面白いですね。車を利用する場合、生産・運用・廃棄など様々なプロセスがあり、各プロセスがどの程度CO2を排出しているのか。意外と、燃費の改善=運用よりも生産や廃棄のプロセスでCO2が出ていたりして。そうすると、解決策も大きく変わりますね。

【第4の革命 カーボンゼロ】GXの衝撃(4)気候対策問う株主総会:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74136670S1A720C2MM8000/

マーケット・フォースを13年に設立したヴィンセント氏は環境保護団体グリーンピース出身。「当時、キャンペーンのほとんどは環境対策を政府に求めるものだった。化石燃料に流れる資金を止める方がカーボンゼロへの近道だ」と語る。文字通り「市場の力」を借りて、企業にグリーントランスフォーメーション(GX=緑転)を迫る。

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GXだけではなく、今だとウイグル地区で生産された綿への不買運動のように、政治的な問題を企業活動に絡めて批判する手法は増えてきている。企業活動を妨害することで、その解決を産業界から政界に陳情してもらい、結果的に政治を動かそうという動き。もちろん、強制労働によって生産された原材料を使うのは強制労働の撲滅に反するので良くないのだが、企業活動のリスクにもなりかねない。それを理解した上で、今後は過激な株主が企業に政治的主張を展開する「逆・総会屋」みたいなケースも増える気がする。

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