(2021/07/15 日経新聞より)エシカルの行方。再利用を見据えたデザインか、使い続けられるデザインか。

什器・家具エシカルの風:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73817340T10C21A7HH0A00/

同社はこれまで、専門店や大規模商業施設を中心に多数の商空間をデザインしてきた。しかし、その多くは5~6年というサイクルで刷新され、大量の廃棄物を生む温床になってきた。廃棄物を見る目は社会全体で厳しさを増している。丹精込めて作った空間がまだ使えるにもかかわらず廃棄や解体の憂き目にあうことに違和感を抱く社員も少なくなかった。

 「これからの商空間は目新しいワクワクを訴えるだけでなく、社会にとってのグッドや安心感にも配慮する必要がある」。加藤麻希エシカルデザイン本部本部長は自戒を込めてこう語る。

 業界全体で廃棄物削減や循環型への移行を促進するため、エシカルマテリアルに特化したライブラリーも新設した。ここでは100社以上の材料メーカーに声をかけて集めた素材を再生材使用型、循環型、回収・処分対応型など6つの基準に分類し、さらに原料ごとに色分けして紹介する。ゆくゆくはこれらの情報をデジタルブックにまとめて広く配布する予定だ。

 こうした情報共有やコミュニケーションに力を注ぐのには別の理由もある。素材や工法の情報がしっかり共有・伝達されていれば分別解体は容易になり、リサイクルやリユースは加速する。逆に、循環の流れが目詰まりしているのは、「作ることと壊すことに情報の格差があるから」と成富さんはみる。

 人や社会、環境に配慮した商品を選ぶ「エシカル志向」への関心が高まるなか、商空間のデザインでも今後同様の選択基準が求められていくのは間違いない。再利用だけでなく、作り方や捨て方のデザインにも踏み込んだ「グッド・エシカル・オフィス」。新奇性や斬新さを重視してきた商空間のデザインにルールの変更を促す取り組みからは、「再び社会に戻すことを前提に使う素材を選び、回収する仕組みまでも一貫してデザインしていく」という強いメッセージが込められる。

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確かに商業施設のリニューアルは定期的に行われ、その度に大量の廃棄物を出すという点ではエシカルではない。そこを変えようと思うと、もちろん、一度作った施設を無駄にせず再利用することも大切だし、そもそも再利用されることを前提として設計する発想も必要になる。今後は後者がデザインの大きな潮流になる可能性がある。

(消費を斬る) プチぜいたくなコンビニピザ:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73818570T10C21A7H24A00/

冷凍ピザの強みは家で焼きたての状態で食べられることだ。香ばしさや食感は、届くまでに時間がかかる宅配ピザにも勝る。ただ両社の冷凍ピザはレンジなどで解凍した後、オーブンかトースターで焼く2つ手順を踏む必要がある。手軽さが長所だった冷凍食品では異質ともいえる。

 そんな「お手軽ではない」商品の好調な売れ行きについて、セブンは「外出自粛で家での料理にひと手間かけることに対する抵抗感が薄れているため」とみる。非日常の楽しみを得るために、消費者が冷凍食品に求める要素にも変化が起きているようだ。

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「コンビニ=手間をかけない」という方程式が崩れた可能性がある。今後は半調理済み商品なども投入されそう。コンビニご飯に最大いくらまで払えるか?客単価の最大化に取り組むトレンドも生まれそう。

サイトやアプリ 誰にも優しく:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73818770T10C21A7H21A00/

ミライロが視覚や聴覚に障害のある人を対象に20年6月に実施した調査によると、コロナ下でコンビニやスーパーなど対面での買い物については約半数が減ったと答えたのに対し、インターネット上での買い物は約6割が増えたと回答した。

 これまでリアルの買い物では、売り場の案内や商品を買い物袋に入れる作業などを店員に頼んで補助してもらう場合が多かった。しかし対面接触を避ける動きが広がると、お願いするのが申し訳ないと遠慮してしまう人も少なくないという。

 コロナ下でネットの役割が一段と高まるなか、企業にとっては障害を持つ人や高齢者などを取り残さないサービスの設計が不可欠となる。

法改正で配慮義務化:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73818850T10C21A7H21A00/

ウェブアクセシビリティーを巡っては、2016年に施行された障害者差別解消法の基本方針のなかで、誰もが円滑に情報の取得・利用・発信ができるための合理的配慮が求められている。これまで合理的配慮の提供は行政機関のみ義務付けられており、民間の事業者は努力義務だった。ただ21年5月の改正により、民間事業者にも義務化されることとなった。

 9月のデジタル庁発足に伴い施行されるデジタル社会形成基本法の基本理念には、全ての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会を実現することが掲げられている。ミライロ営業マーケティング部の梶尾武志部長は「企業がウェブアクセシビリティを改善する機運が高まっている」と分析する。

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デジタル庁創設後に大きな議論になるのは、デジタル弱者への対応だろう。デジタルの恩恵を一人残らず全国民に提供しようという機運が高まれば、かつてのユニバーサルデザインブームのようなものが起きる可能性は高い。

ドコモ、ドローン向け携帯通信サービス:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73818980T10C21A7H21A00/

ドローンにはWi―Fi(ワイファイ)が使われており、数キロメートルがカバー範囲だった。携帯通信を活用することで目視外での長距離飛行が可能になる。これまでに片道10キロメートルを往復する目視外飛行にも成功したと説明する。

 映像のデータ伝送がリアルタイムででき、災害発生時に遠隔地から映像の視聴などができるようになる。

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今までドローンにWi-Fiが必須だったのが解放されるのは大きい。ドローンの高性能化・航続距離の延長に伴う通信力の課題が解消されれば、よりインフラ的な使い方が加速する。ドローンはエンタメから始まり、インフラ活用が進むとなれば、産業としての裾野は一層広がる。

「普段着の日本語」学ぼう 哲学者が説く 論理力の鍛え方:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73830950T10C21A7TCN000/

 ――現状をどうみますか。

 「危険な感じがします。言葉と言葉をちゃんとつないで、議論ができるようにするのが論理。論理力とは国語力であり、コミュニケーション能力のことだと考えています。ところが、このつながりを読み取る力が弱くなっている」

 「言葉が断片化しているからです。SNS(交流サイト)などのソーシャルメディアを通じ、背景も前後も分からない短い一言が流通し、広がっていく。推測ですが、そうした断片的な言葉に対しては、共感か反発かだけで、ちゃんとした議論が成立していないのではないか。『共感の原理』だけで世の中が動いていく。この傾向がどんどん強くなっている気がします」

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SNS上の共感的コミュニケーションは、異質なものを理解するのにはあまり向いていない。しかし、人間誰しも自分と同じ意見の人と一緒にいた方が楽なので、コミュニケーションはどんどんSNSに移行し、コミュニティーがクラスター化し、分断が激しくなる。マーケティングは本来、ユーザーがより細かくクラスター化している方がターゲティングしやすいので都合が良いが、それが行き過ぎると社会が機能しなくなる。マーケターにも倫理が求められそう。

デジタルのジレンマ(2)格差広げる「ゼロ円コピー」:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73853470U1A710C2MM8000/

ネットは万人に発信と活躍の機会を与えるとの期待があったが、ゼロ円コピーの結果、収益機会を奪われるコンテンツの作り手も少なくない。米オハイオ州ヤングスタウンでは、150年以上の歴史があった日刊紙「ザ・ビンディケーター」が19年8月に廃刊を宣言し従業員144人を解雇した。ワシントン・ポスト紙のメディア担当コラムニスト、マーガレット・サリバン氏は「コミュニティーにとって損失だ」と話す。

 米国では過去約15年で地方紙の25%にあたる2100紙が廃刊となった。ノースウェスタン大学のペニー・アバナシー客員教授は「地域の教育委員会や議会を取材する人がいなくなれば民主主義の喪失につながる」と懸念する。

 従来のイノベーションは消費者と生産者の便益を共に増やしてきた。野村総合研究所の森健氏は「デジタル経済の下では生産者が圧迫されがちだ」と分析する。勝者が限られれば製品の多様性は失われ、消費者の選択肢が奪われる。経済の推進力すらそぎかねない。

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デジタルプラットフォームを握った人や企業の影響力と利益が大きくなり、それに頼る側の収益を大きく圧迫し、ビジネスが継続できなくなる。プラットフォーマーは確かに社会に大きく貢献しているが、その収益性や影響力の適正なバランスはどこなのか。あるいは、それに抗いうる、プラットフォーマーに依存しないマーケティング戦略をどう開発するか。特にスモールビジネス事業者がプラットフォームとどう付き合うか、という課題は今後重要性を増していくと思う。

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